とっておき!!TOKYO

東京のおいしい店、いい店、安い店。ここは私の“とっておき!!”と、日々の些細な物事に感じたことをご紹介する場所です。

【とっておき!!】 食工房 眞(明治神宮前・定食)

   

 

なんともふんわりとして、やさしい親子丼です。

小さく刻まれた地鶏の肉は、ふたつの卵によって
三つ葉や椎茸とともにゆるやかにまとめられ、ごはんの
上にふんわりと寝かされているといった感じ。
甘めでありながらあっさりとした出汁に、椎茸が味と
香りの上で重要なアクセントとなっています。

 

出汁と卵は無理やり合体させられているのではなく
出汁はごはんを通って丼の底のほうにまで浸透。

九州によくある、いわゆる”つゆだく親子丼”かな?と
一瞬思わせるほどですが、しかしこの出汁は時間と
ともにごはんにゆっくりと吸い込まれ、一粒一粒を
風味豊かにふくらませていくのです。
食べ終わるころには出汁はすっかり消え、つゆだくに
見えた分量が、完璧な計算のもとにあったことを知る
のです。

この親子丼にひじきの小鉢と漬物、わかめと豆腐の
味噌汁がついてのセット。1,100円とちょっと値が張り
ますが、そのやさしい味と豊かな椎茸の香りを体験
すれば決して高くはないと思うはずです。

この店があるのは、竹下通りから明治通りを越え、
左に曲がったところにある細い路地。

おのぼりさん相手のケバケバしい店が並ぶ竹下通り
とはうって変わって、昔の商店街の風情がそこかしこ
に感じられる通りです。

聞くとこの店の場所には以前蕎麦屋があり、その娘が
父の味を受け継いで開いたのがこの店とのこと。
どうりで主人が若い女性でありながら、出汁の味に
ぶれがなくどっしりとしていて、使い方も適切なはず
です。店名の冠に「食工房」を名乗るだけはあります。

別の日に食べた日替わりも、優しい味は変わらず。
ふんわりした鶏のつくねを新じゃがと一緒に煮込んだ
おかずは、表面的な味のインパクトなど狙わずに
あくまでやさしく、包み込むようなおふくろの味。
これならば毎日でも飽きずに食べられます。

店内も「笑顔あふれる」というより「あはは」という
笑いが絶えないような明るい雰囲気。

私なんか、もし近くに職場があったら3日に一度は
訪れないと気が済まない気がします。

激しくおすすめできる店です。

 

 

メニューや地図など詳しい情報は下のリンクからどうぞ。
http://www.totteoki.jp/shibuya/
この文章は「渋谷とっておき!!」からのものです。

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