とっておき!!TOKYO

東京のおいしい店、いい店、安い店。ここは私の“とっておき!!”と、日々の些細な物事に感じたことをご紹介する場所です。

【とっておき!!】 てんぷら荘司(曙橋・天ぷら/日本料理)

   

 


上の写真は「メバチマグロの燻製」。
7千円のコースの一品です。

スモーキーな香りがしっかりとついていながら、身は
フレッシュな仕上がり。わらを燃やした火力でさっと炙る
手法は
「松下」直伝のものでしょうか。
これは幸せにしてくれる一品です。

 

この店があるのは都営新宿線の曙橋。
かつて新宿区河田町にあったフジテレビの本社はこの
曙橋が最寄り駅でしたが、ここからでもかなり遠く、
陸の孤島だったことを覚えています。

 

その曙橋駅を出てすぐ南のビルの2階。
カウンターが中心のこじんまりとした店は、早稲田の
日本料理の名店「松下」で修行した若き夫婦が営む店。

「てんぷら」の名を冠していますが、一般的な天ぷらの
店ように延々と揚げ物を出し続けるのではなく、上の
ような小粋な和の料理が天ぷらの間に出てくるという
メニュー構成となっています。

夜は、7千円と1万円のコースが中心。
下の写真は、7千円のコースの品々です。


ホタルイカに魚(名前を失念)のあぶったもの
 


車えび


しいたけ

ヤングコーン


そら豆
 

はも

たまねぎ
 

稚鮎
 


丸なす
 

かき揚げ
 


地鮎の炊き込みごはん
 


杏仁のシャーベット
 

白玉ぜんざい
 
8種の天ぷらに、それ以外の料理が3皿、そして
炊き込みごはんに漬物、デザートが2品。

いちばん印象に残ったのはそら豆の天ぷらでしょうか。
普通、私たちが口にするのは茹でたそら豆ですが、
これを衣に包んで揚げることによって、その香りが
閉じ込められ、口にした瞬間ふわっとその香りが
解き放たれ、口いっぱいに幸せが広がります。

 

また大葉で巻いて揚げた稚鮎、そしてその
稚鮎のあらで炊き込んだごはんもまた秀逸。

車えびなどコストのかかるものにはあえて無理を
せず、季節の野菜などを多く取り入れることで
四季の香り豊かなメニューを組み立て、とても
リーズナブルで満足感の高いコースを実現しています。

東京の都心に暮らしていると、木々をそよぐ風や
水の香りなど自然から切り離された感覚になって
しまいますが、そうした我々にも日本の四季の喜びを
感じさせてくれるようなそんな一品一品です。

この店は天ぷらの店として見るのではなく、正統派の
日本料理店と見るべきでしょう。わざわざ曙橋に
行ってまで食べる価値のある、とてもおすすめできる店です。

 

また、この店はランチもまた非常におすすめ。

平日のランチは一種類のみの日替わりなのですが、
これがもう非常にコストパフォーマンスが高いのです。

 

写真がそのランチなのですが、煮込みハンバーグに
春雨のサラダ、具だくさんのみそ汁、漬物とごはん。
これにさらに下の写真のアジフライにデザートまで
付いて1,000円。

煮込みハンバーグはトマトの風味が効いてふんわり。
アジフライはほくほくとやわらか。個人的にはソースが
かかって出てきたのが残念でしたが、それでもソースは
軽くあっさりとやわらかな風味。たぶんあらかじめダシで
といてあるのでしょう。”アジフライは醤油派”の私でも
とても満足できる味わいのソースでした。

またこの日の梅のデザートは、店で出している自家製
ソフトドリンク「梅ジュース」の材料の青梅を使ったもの。
昔、実家で梅酒を作ったあとのしわしわの梅を頬張って
いたあのころを思い出すおいしさです。

これだけのものが出て1,000円なのですから、近隣の
サラリーマンや有閑マダム(暇なおばさん)たちが
放っておくはずがありません。夜は基本的にカウンター
のみでの営業なのを、ランチタイムは壁際の空間に
しつらえた簡易テーブル席までフル稼働の人気ぶり。

日替わりの一種だけということで、食材のロスがない
とはいえ、このコストパフォーマンスには脱帽です。
これもまた、「松下」の伝統を受け継いだのでしょう。

こうした若き料理人を数多く育て、旅立たせている
「松下」のご主人はほんとうに名伯楽です。

ぜひ一度、行ってみることを強くお勧めします。

 

 

 

 

 

メニューや地図など詳しい情報は下のリンクからどうぞ。
http://www.totteoki.jp/shibuya/shoji.htm
この文章は「渋谷とっておき!!」からのものです。
http://www.totteoki.jp/shibuya/

 

 

てんぷら 荘司 (天ぷら / 曙橋、四谷三丁目、若松河田)
☆☆☆☆ 0.0

 - とっておき!!, 新宿・神楽坂