とっておき!!TOKYO

東京のおいしい店、いい店、安い店。ここは私の“とっておき!!”と、日々の些細な物事に感じたことをご紹介する場所です。

【とっておき!!】 ル・ブルギニオン(フランス料理・西麻布/六本木)

   

 

このお店でいちばん感動したのは、オーナーシェフの人柄でした。

 

食事が終わり、大勢のスタッフに見送られて店を
あとにしたときのことです。目の前の通りを渡り、
店の外観をカメラで撮っておかなきゃ、と振り向いたとき
そこにはひとりだけで見送り続けてくれているシェフの姿が
ありました。

 

店内にいるときから気づいてはいました。

客を見送ったあと、他のスタッフはすぐに店内に戻って
次の仕事に取りかかるのに、オーナーシェフだけがひとり、
なかなか戻って来ないことを。

しかし、それが客をずっと見送り続けているためだったとは。

 

 

この店はとても小さいながら非常に有名な店です。
名声の通り、その料理にはたくさんの驚きと感動があります。
しかし、それらすべてを可能にするのは、ひとりの料理人の
“想い”なのだということをあらためて知りました。

 

写真は7,000円のコースです。

 

 

いちばん印象に残ったのは、アミューズに出てきたシュー。
チーズをからめたシューに、豚バラ肉などが刻まれて
入っているのですがふんわりサクッとした食感とともに、
口いっぱいにひろがる温かい肉汁とうま味。
親指と人指し指でできる輪っかくらいの大きさなのに、
その存在感は圧倒的でした。

 

 

そのほかでは魚料理の「あいなめのラタトゥイユ仕立て」。
カリッと香ばしく焼き上げられたアイナメの味もさることながら、
その下に敷かれたラタトゥイユも甘味と酸味のバランスがよく
日本人向き。

 

 

「ウナギとフォアグラのロースト」もまた、あらかじめ
知らされていなければとてもウナギとは気づかないほど
洗練されていて、フォアグラとの境界線を感じさせない
くらいに一体化しています。

 

 

とにかく、随所に日本の素材が織り込まれながら
しっかりとしたフランス料理に昇華されているのが楽しく、
ひとつひとつが飽きさせないのです。

 

 

この店があるのはテレビ朝日通り。
かつて、テレビ朝日の本社はこの細い通りに面して
あったのですが、建物の老朽化が進んだために
土地を差し出す形で地域再開発に参加しました。
それがいまの六本木ヒルズとなり、テレ朝は敷地の
南東の角に移転する形で新社屋を建設しました。
ですからこの通りはもう、テレ朝とはほとんど関係が
なくなってしまったのですが名前だけが残りました。

そのテレビ朝日通りに六本木通りから歩くこと5分。
ページュ色の壁と鉄の柵に囲まれた小さな庭が
この店の目印です。


小さな庭を通りぬけ、スタッフが開けてくれている扉に
たどり着くまでのほんの数秒間の、何とも言えない
ドキドキ感はいったいどこから来るのでしょうか。
この小さな庭にこそ日常と非日常の境界線があり、
俗世から切り離してくれているような気がします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この文章は「渋谷とっておき!!」からのものです。
メニューや地図など詳しい情報は下のリンクからどうぞ。
http://www.totteoki.jp/shibuya/

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