とっておき!!TOKYO

東京のおいしい店、いい店、安い店。ここは私の“とっておき!!”と、日々の些細な物事に感じたことをご紹介する場所です。

【とっておき!!】 知音食堂 (中国四川料理・池袋西口)

   

 

死ぬほど辛い本場の四川料理が食べたければ、
この店以上の選択肢はないかもしれません。

上の写真は「麻婆豆腐鍋」。

 

これにご飯と焼売をつけて食べてみたのですが、
あまりの辛さ、いやそれ以前に辛さの揮発成分を
含んだ湯気に咳き込んでしまい、食べ始めるのにも
往生してしまいました。

 

とにかく辛味が濃縮されたかのような油があって、
それに豆腐や挽き肉が入り、他のうま味がほんの
少し”隠し味程度”に感じることができる、と言ったら
言い過ぎでしょうか。

もちろんおいしいとは思います。
しかしそれは、私がかなりの辛い物好きだからこそ
言えるのであって、一般の人々、とくにマヨネーズや
ケチャップを食べて育ったようなおこちゃまたちには
拷問以外の何物でもないと感じられるかもしれません。

もちろん、食べ終わってしまえば汗だく。
勘定を終え、階段を登って明るい外界に出たときの
気分は、血の池地獄から生還した亡者の気分で
しょうか。

この店があるのは池袋西口。

やきとん屋だの風俗店だのごちゃごちゃと建ち並び、
おまけに完全にアジア化してしまい、猥雑という言葉
すら力不足に感じられるほどになってしまったこのエリア。

その細い路地の小さな入り口から地下に潜ると、
ほとんど真っ暗な店内には黒檀でできた重厚な、
しかし古風なテーブルと椅子が雑然と並んでいます。

店内はまったくの中国。
ここで日本人客をまだ見たことがありません。

味もまた暴力的なまでに四川そのままのようで、
担担面(坦々麺)はラー油の海。
麻婆豆腐鍋はまだうま味がありましたが、担担面に
うま味を見いだすのは日本人にとっては至難の技かも
しれません。

水餃子にもラー油がかかったものがあるなど、まるで
ケンカを売っているかのようにすら感じられるメニュー。

この挑発的なメニューを前にしてついたくさん注文し、
あまりの辛さに毎回後悔してしまうのは、やはり私も
戦後教育を受けた”自虐的日本人”だからでしょうか。
(なにもそうまでして食べる必要はないのですが)

ちなみにこの店の「知音(ちいん)」とは中国の故事に
由来する「親友」を意味する言葉。

中国春秋時代に生きた琴の名手が、自分の演奏の
最大の理解者であった親友の死をきっかけにその
琴の弦を切り、二度と演奏をすることがなかったと
いう故事から、「知音=音を理解する」という言葉が
「自分の心がわかる人」「親友」という意味になった
とのこと。

もともと中国物産の輸入商社を母体とするこの店が
「知音」を名乗るのは、同胞に対してなのかそれとも
日本人に対してなのかはわかりませんが、とにかく
深いメッセージが込められていることだけは確かな
ようです。

ぜひあなたが辛いものが好きで好きでたまらない、
という人種ならぜひこの店と「知音」になってみて
ください。

胃がどうなってもよければ、の話ですが。

 

 

 

ほかの写真やメニュー、地図など詳しい情報は下のリンクからどうぞ。
http://www.totteoki.jp/shibuya/
この文章は「渋谷とっておき!!」からのものです。

 

 

知音食堂 (四川料理 / 池袋、東池袋)
★★★★ 4.5

 - 中国料理