とっておき!!TOKYO

東京のおいしい店、いい店、安い店。ここは私の“とっておき!!”と、日々の些細な物事に感じたことをご紹介する場所です。

【ねごと。】 ハブという発想が古いのだ。

   

最初にはっきり言っておきますが、
「ハブ空港化で経済発展」という発想は、発展途上国のそれであって
けっして先進国が取る政策ではありません。

羽田空港を国際的なハブ空港にしようという政策は、
あきらかに間違っています。


 

そもそも、「ハブ&スポーク」という考え方は
貨物の効率的な輸送を実現させるために米国で編み出されたもの。

私自身、10年ほど前に米国の貨物輸送会社・UPSのハブ空港である
ケンタッキー州ルイビル空港を見たことがありますが、空港を
埋めつくすかのように並ぶUPSの航空機が、次々と離着陸していくさまに
圧倒されました。

米国全土から飛び立った航空機がひとつの空港に一斉に着陸し、
荷物を目的地別に仕分けして再び一斉に全米に散って行くことで
全体として最も効率的な輸送を実現するのが「ハブ&スポーク」。

もともとこのシステムは、フェデラル・エクスプレスの創業者が
ビジネススクール時代に発案したもの。しかし教授から「C」の評価しか
もらえなかったために、彼はこの論文を実証するために起業し、
米国全土の翌日配達という物流革命を起こしたのです。

事実、広大な国土を持つ米国では最高の輸送方法といえるでしょう。

ただし貨物に限っては。

なぜならば、貨物はけっして文句を言いませんが、
しかし人間はできれば直行便に乗って、早く目的地に着きたいと思うもの。

実際、アメリカでもかつては「ハブ&スポーク」で旅客路線が組み立てられていた
時期がありましたが、いまや小型機を駆使した格安航空会社の台頭もあって、
大都市間を中心とした直行便が主流に戻りつつあります。

そして世界の航空輸送は、ボーイング747に象徴される巨大航空機による
大量輸送の時代から、ボーイング737、次世代のボーイング787といった
中小型機が各地を網の目のように頻繁に結ぶ時代になってきています。

つまり「ハブ&スポーク」は現在、あくまで貨物にのみ成立するものであって、
旅客輸送に関してはまったくの時代おくれの思想となってしまっているのです。

そこで羽田空港のハブ化問題です。

バックボーンとして東京を中心とする5,000万人もの人口と巨大な経済力を持つ
羽田空港には、ただそれだけで旅客と貨物の莫大な需要があります。

ですからこれからの発展のためには単に近距離国際線を中心に徐々に
拡充していけばじゅうぶんであって、国内線の使用機材が効率化のために
今後、小型化していくことも考え合わせれば、第4滑走路(D滑走路)開設で
増える発着枠はすぐに埋まってしまいます。

羽田は、もともとパンク寸前だったのです。
それを、一本滑走路が増えたからといってわざわざ中国や韓国、東南アジア
などの旅客や貨物を”仕分け”するためにハブ空港にする余裕もなければ
必要性もないはずです。

日本に国際ハブ空港が必要とするならば、それはあくまで貨物が中心と
なるべきであり、発着能力に余裕がある中部国際空港か関西国際空港、
または那覇空港がふさわしいのです。

今回、羽田空港のハブ化を提起した前原国土交通大臣は、あまりにも
不勉強とのそしりを免れないでしょう。

 

この文章は「とっておき!!のねごと。」からのものです。
http://www.totteoki.jp/negoto/

 

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