とっておき!!TOKYO

東京のおいしい店、いい店、安い店。ここは私の“とっておき!!”と、日々の些細な物事に感じたことをご紹介する場所です。

【とっておき!!】 ベルク (カフェ・新宿東口)

   

六本木ヒルズや丸ビル、東京ミッドタウンなど、近年の
東京には次々と新しいランドマークができていますが、
どれもみな、中に入ってみるとがっかりしてしまいます。

それは、入っている店がどこも似たり寄ったりなこと。

チェーン店か、せいぜいその系列の新業態店・実験店
しかなく、みなどこかで見たような雰囲気の店ばかり。
置いているものも無難なものだらけで、げんなりして
しまいます。とくに飲食店は。

 

これは店を入れるビルの側が各店舗の経営の安定性、
つまり自社の家賃収入の安定を重視するあまり、
実績と資本力のあるチェーン店ばかりを入れるため。

ですからどんなにおいしかろうがユニークであろうが、
こうした巨大ランドマークに個人経営の店が入る余地は
まったくないというのが実情なのです。

森ビルや三菱地所、三井不動産などの大手不動産
会社の懐の小ささ、ひいては遊び心・冒険心の欠如が、
“食の金太郎飴状態”を作り出し、食の世界をとても
つまらないものにしているとも言えるでしょう。

 

そんななか新宿駅東口の、かつてマイシティと呼んで
いた駅ビル・ルミネエストの地下一階に、昔ながらの
個人経営の店が頑張っています。

ベルク、という名の小さなスタンディングバー。
朝から昼にかけてはコーヒー、夜はビールを中心に
喧騒を離れてほっと一息つける空間となっています。

料理は、ドイツ料理を中心とした軽食がメインで、ランチ
メニューの「エッセンベルク」に付くレバーペーストが
特筆もの。質のよいものを安く提供する姿勢が随所に
うかがえるいい店です。

しかしこの店、ともすると店そのものや料理よりも
家主との紛争で有名な店。

旧来の借家契約では、一度契約を結ぶと貸主は自ら
その場所を使う必要があるなどよほどの事情がない
限り、借り主を追い出すことができませんでした。

出て行ってもらうためには高額な立ち退き料が必要に
なったり、交渉に長い時間を要するなど貸主にとって
あまりに不利な内容であり、再開発などの支障になって
いるという議論がずっとなされてきました。

そこで登場したのが定期借家権というあらたな法制度。
たとえば2年といった期限がくれば、一方的な解除が
可能になるということで、ビルのテナント契約などでは
急速に切り替わってきています。

ベルクの場合、家主・ルミネ側からきた旧来の借家
契約から定期借家契約への切り換えの要請を断った
のが紛争の発端。その後ルミネ側から退去圧力が
かかっているということでもめつづけています。

もちろん、すでに結ばれている旧来の借家契約を
定期借家の契約に切り換えなければならない理由は
ベルク側にはないのですから、ベルクにはぜひ頑張
ってもらい現在の小さくてユニークでおいしい店を
ずっと守り続けてもらいたいものです。

ただ、これは小さな店ですからしょうがないのですが、
50cm横にいる女性の吐き出す煙を吸わされながら
食事をさせられるのだけは勘弁してほしい気がします。

 

この文章は「渋谷とっておき!!」からのものです。
メニューや地図など詳しい情報は下のリンクからどうぞ。
http://www.totteoki.jp/shibuya/

 

 

 

ビア&カフェ ベルク (カフェ / 新宿、新宿三丁目、新宿西口)
★★★★ 4.5

 - とっておき!!, 新宿・神楽坂