とっておき!!TOKYO

東京のおいしい店、いい店、安い店。ここは私の“とっておき!!”と、日々の些細な物事に感じたことをご紹介する場所です。

【とっておき!!】 ますや (そば・高田馬場)

   


 

この店、開店直後はひどかったんです。

 

 

 

 

麺がでろでろ。のびきってしまっていて、とても食えた
もんじゃありませんでした。まるで死んだ魚が浮いてる
ようにすら見えてしまいます。つゆの味はいいものの、
麺ののび具合がすべてを台無しにしていました。

そのひどさは「あそこは6か月もたない」と私が周囲に
宣言したほど。私の「つぶれる宣言」はけっこう当たる
のですが、それから2年3か月。この店は生き延びています。

その後なにがあったのか。

 

訪れると、もちろんですが麺が変わっていました。
茹で加減が普通になり、ちゃんと蕎麦の味がするように
なっていました。まあ値段が値段だけに蕎麦の香りや
歯ごたえを語れるレベルでないのはしかたありませんが
“うどんに色がついただけ”の状態からは脱しています。
今回は午後3時ごろに訪問したので揚げ物も冷めた
ものを覚悟していったのですが、かき揚げも揚げたてで
サクサク。期待を上回るものでした。

もともと良かったつゆの味がやっと生かされる、そんな
変身を遂げていたのです。

驚いたのは、平日夜と土日祝の全日で石臼引き蕎麦を
出すことになったこと。しかも「もり」で480円という安さ。
もちろん手打ちではありませんが、かかった手間の分
きっちり味は向上しています。

 

私が食べたのは「鴨せいろ」(730円)でしたが、鴨肉も
またしっかりとしたもので血の臭みもなく、この値段
ならば満足感の高い一品となっていました。

店内も変わりました。
最初はあきらかに「立ち食い」がメインだったのが、
すべての席に椅子が用意され、4人席も多くなりました。
と同時に、酒の肴となる一品も加わりました。
「板わさ」「玉子焼」が各500円と、ほかのメニューに
比べて価格がどうかなとは思いますが、ほかにも本来
トッピングメニューの「納豆」「ちくわ天」「いか天」などが
100円台からありますから安くて簡素な蕎麦居酒屋と
しても使えるようになっています。

もともとこの店の母体は、早稲田大学正門前にある
「はせ川」という立ち食い蕎麦屋。いつも店の前に
鯖節などが干してある、つゆのおいしい店です。
ですので当初、支店であるこの店も立ち食い路線を
突っ走るつもりだったようですが、通りの反対側には
もとからチェーン店の「小諸そば」があるなどことから
変更したのでしょう。その変更は正解でした。

 

朝7時からの営業で、平日昼間の価格帯は「もり」が
300円とあくまで立ち食い蕎麦の領域で頑張り、夜や
土日祝日は石臼引きを目玉にして蕎麦居酒屋として
やっていくという戦略。

ちょっと小腹が空いたときや軽くビールを引っかけて
いきたいという、地域の人々のニーズを満たしながら
定着していきそうです。

 

 

この文章は「渋谷とっておき!!」からのものです。
メニューや地図など詳しい情報は下のリンクからどうぞ。
http://www.totteoki.jp/shibuya/

 

季節のそば ますや (そば / 高田馬場、西早稲田、面影橋)
★★★★ 4.5

 - とっておき!!, 高田馬場