とっておき!!TOKYO

東京のおいしい店、いい店、安い店。ここは私の“とっておき!!”と、日々の些細な物事に感じたことをご紹介する場所です。

【ねごと。】 ITが隠す差別。

   

もうだいぶ前の話になってしまいますが、就職活動中の
大学生数人に寄り添い、じっくりと話を聞く機会がありました。

 

 

私たちの時代の就職活動といえば、日経やリクルートなどから
送られてくる百科事典ほどの厚さの企業情報についてくる
ハガキに記入して送るか、企業に直接電話してアポイント
メントを取るといった方法が主流でしたが、いまの就職活動は
ネット経由のエントリーシート方式がほとんど。

自宅でも学校でもなんなら外でも気軽に申し込みができ、
その内容はコピー&ペーストも可能ということで、ハガキ
時代とは比べ物にならないほどたくさんの企業に応募できる
ようになりました。

しかしそのぶん、一社一社を研究できる時間は減り、一方で
学生が不採用になる数も比べ物にならないほど多くなったの
ですが。

このエントリーシート方式のメリットは、説明会などの予約も
ネットの画面でできること。

画面に表示される日程表の「空席あり」のなかから、学生が
自分の都合に合わせて予約を入れる方式。
ネットを通じての先着順。ですから「チケットぴあ」のような
公平・公正なシステムのように思いがちなのですが、実際には
ITならではの巧妙な仕掛けがありました。

東大生の男の子に聞いた話です。

あるとき、東大生の彼がある人気企業の説明会を予約しようと
すると、どの日のどの時間も「空席あり」が表示されました。

そこで隣にいた法政大学の友人に「一緒に行こう」と誘うと
その彼の申し込み画面ではどの日のどの時間も「満席」
映し出されてしまうのです。

つまり、この企業は説明会に出身校ごとの「枠」を設定し、
受け付ける瞬間にもうふるいにかけていた、ということ。

「あのときはびっくりしたと同時に気まずかったですね。
 まさかこんな仕掛けが隠されているとは。」
と東大生。

結局、法政の子は説明会にも参加できないままその企業を
諦めざるを得なかったそうです。

私は学歴を完全に否定する者ではありません。
少なくとも「努力」をみる尺度としてはある程度有効な手段の
ひとつだと思っています。

しかし、企業説明会に出席できるかどうかまでを出身校で
露骨に選別するのはいかがなものか。

たしかにエントリーシート方式になって学生がひとり何十社も
申し込みできるようになったことで、人気企業にとっては
それだけ応募者数が増え、負担が増したことは事実でしょう。

しかし、ITによって表からは隠されるようになり、そのおかげで
露骨な学歴差別が助長されているというのなら、許すわけには
いかないと思うのです。

それを許せば、次はまたITの名のもとに新たな差別が
生み出されるはずですから。

 

 

 

この文章は「とっておき!!のねごと。」からのものです。
http://www.totteoki.jp/negoto/

 - ねごと。